Fostex GX100BJ
#スピーカー #オーディオ
中古で入手
2017年発売で、当時は、定価15万円ほど。性能はよいとされつつも、コストパフォーマンスの悪いスピーカーとされる。
2022年12月現在、20万円まで値上げされたが、2024年1月調べでは定価18万円程度に値下げされ、2024年5月には最安価格が16万円台まで低下した。BJのJが国内生産を意味することからも分かるように、コロナ禍後の海外の物価高や円安の影響を抑えている。
ヤフオクでは、2020年より前に販売されたものが出回っており、落札額は8〜9万円といったところに落ち着いているので、中古では入手しやすい。
仕様
2-way
ツィーター: 純マグネシウム(純度99.9%)20mmリッジドーム
ウーファー: アルミニウム合金 HR(HYPERBOLIC PARABOLOIDAL)形状10cm振動板
クロスオーバー周波数: 1.8kHz
再生周波数帯域: 55Hz~45KHz
MIDコントローラ: 1.6kHz~6kHzを+1dB~-2dBの範囲で微調整可
サイズ(WHD): 160x262x231.5 mm
重さ: 5.4 kg(グリル込)
インピーダンス: 6Ω
出力音圧レベル: 82dB
#日記 #2022年 #12月21日 2022年12月-21 00:17
#日記 #2025年 #1月17日 2025年1月-17 17:44 以前の記述を全面改訂した
#日記 #2025年 #2月25日 2025年2月-25 08:20 コスパに関して末尾に追記
所感
コンパクト。見た目と違い、ずっしりと重い。
能率が80dB近くで、悪い。ツィーターの能率が低いことに起因?
同価格帯のスピーカーと比べて、クラス違いの高分解能。定位が良く、音がフォーカスされてボケないので、交響曲などでも個々の楽器の音が埋もれずに聴こえる。時間的にも、エッジの効いた音ではなく、すっきり収束するので、聴き疲れしない。音が時空間的にぼけずに、すっきりと聴けるスピーカーである。
低音もしっかり出ている。タイトで、ブーミーではない。
ウーファーからは、金属的なザラザラした響きを感じるが、すぐ慣れる。(かなりのハイエンドのアンプだと化けるらしいが、未来永劫所有することないので。)
嫌な音はしないが、低音がリズム良く鳴らない音源では、やや退屈である。
エンクロージャの見た目のデザインが古過ぎる。木目調のケースに収まったブラウン管テレビが横に置いてあっても違和感ないくらい昭和レトロなデザインである。同価格帯のライバルと勝負できない。
その他
能率低めだが、アンプを選ばない(と思う)。安物のデジタルアンプでも鳴ってくれた(と思う)。
サランネット: つけると音質低下著しいという報告もあった。音が変わるのは確かだが、音質が落ちるかというと分からない。ニアフィールドでは全く気にならなかった。
ソースによっては、MIDコントローラを用いて、音量にあわせてバランス調整できるが、多くの場合±0の位置のままで良く、中音が足りないと思ったら、全体の音量を上げたほうが良いと思う。
見た目のしょぼさや、最初に聴こえてくるアルミウーファーの金属音といった第一印象から来る先入観を振り払うのに、とても長い時間を要した。メインスピーカーと思って、二日間じっくり聴いていると、なかなか良いスピーカーだと気付かされる。
まず、第一に、基本性能がすこぶる高い。ツィーターが秀逸で、時空間的な分解能に優れており、音像が小さく絞り込まれた感じがリアルであり、同価格帯のスピーカーに対して抜きんでている。加えて、低音がタイトで良い。
集中して音楽を聴いている間は、分解能こそがGX100BJの最大の魅力と言えるが、しかし、BGMとして聴いている間はあまり分解能は役に立たない。ポップスなどをBGM的に聴いている間は、タイトな低音の方が楽しく、魅力的に感じる。そのバランスがなかなか良い。
聴いている間に、はっとさせられるほどの感動は得られないが、ネガティブな驚き(不満や違和感)がなく、安心していつまでも聴き続けられる。そんなスピーカーだと思う。一方で、美しい響きとか、味付けとかは期待できない。
コストパフォーマンスの悪いスピーカーだとの評もあるが、価格以上の分解能と十分な低音性能を備えたスピーカーで、コスパはむしろ高いと感じる。同価格帯には、個性的なスピーカーが目白押しなので、敢えてこのスピーカーを選ぶとすれば、スピーカーのコンパクトさか。総合的に判断すれば、価格相応のスピーカーと言える。
魅力を高めるにはどこに手を付けると良いのだろう? 正直分からなくて、ウーファーを収束の良いものにアップグレードするか、ツィーターを響きの良いものにした方が良いのか、はたまたエンクロージャに手を入れたほうが良いのか?
追記(2025.2.25)
最後の問いに対しては、私の環境ではウーファーをちゃんと駆動できていないので、アンプに金をかけろ、というのが結論のようだ(以下のYouTube動画やそのコメント参照)。私は、アンプを選ばないと書いたが、それは私が持っているアンプでは大した違いがない、ということであり、世間でGX100BJのコスパが悪いと言われているのは、高額アンプを用意しないとスピーカー性能を十分に引き出せないからのようだ。アンプの力不足ということであれば、20万円以上のお金をアンプにかける気のない私には、ウーファーを駆動しやすいものに交換するくらいしか改良の選択肢がないので、残念なことである。とはいえ、手持ちのRotelのアンプで片鱗を感じられて、私には十分満足できるレベルなので、手を加えずに聴くことにします。
https://www.youtube.com/watch?v=oJwphICDmfw&t=122s